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可動域の狭まり(拘縮)

四十肩は、肩関節の可動域の狭まりが生じるのも特徴的です。
人間の体の可動域は意外に広いもので、腕は後ろに50℃くらい、前は180℃くらいは回転しますし、横にも180℃動きます。
水平方向には180℃以上回転します。
肩の後ろ側にある肩甲骨も肩をすくめたり胸を張ったりするに応じて動きがあります。
このおかげで、人間はさまざまな日常での動きが可能になるのです。
髪をとかしてポニーテールに結う。
エプロンの紐を後ろ手で蝶結びする。
バックパックを背負ったまま、中の荷物を探る。
肩の可動域が広いからこそ、こんな芸当が自然に行なえるのです。

四十肩になると、この肩の可動域が狭まってきます。四十肩の診断の際には可動域がどれほど制限されているかを調べ、診断に役立てます。
腕が前方にあがる角度や後ろに回る角度、横に上がる角度、水平方向に回る角度、内向きへの旋回や外向きへの旋回など、
痛まないで動かせる範囲を検査していきます。

この関節の可動域は、普段からストレッチや運動で動かしている人ほど可動域が広いものです。
逆にデスクワークが多かったり、手芸など細かい作業を熱中してする凝り症の方の場合には、四十肩で可動域が狭まってしまいやすいのです。
痛みが強くて可動域が狭くなった場合は、無理に動かさないほうがいいのです。
クロールや背泳をしている方も、四十肩を患っている間は泳げません。
徐々に動きをつけていって可動域が広がっていくように努力していきます。

四十肩になると、腕や肩が回らないとこんなにも生活が不便になのだということに気づき、今まで当たり前と思って過ごしていたことに愕然とします。
顔を洗うとか、髪を洗うといったごく日常の日課ができないのです。
夏にきつめのTシャツを着ていて、汗だくになって張り付いたためにどうしても脱ぐことができず仕方なくはさみで切ってなんとか脱いだ、といった笑えない話もあるのです。
電車に乗ってもつり革まで手があがらないため、縦に伸びる金属バーのそばから離れられない方もいらっしゃいます。
主婦にとっては洗濯物を干す体勢がきついようです。
かといって、洗濯しない訳にもいかず、痛みをこらえて無理を続けいていると、症状が悪化してしまうことがあります。
洗濯物は乾燥機で乾かすなど工夫をして痛む肩や腕は動かさないで安静にするのが、治療の基本です。
四十肩が治ったら、エプロンを蝶結びして、髪はポニーテールでリボンをつけて、思いっきりおしゃれしてください。