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加齢と老化

アラフォーは、おひとりさまでも強いのよ。
そんな前向きな四十代に会えば元気が出る、というものです。
しかし、その四十代は老化の始まりを実感するお年頃でもあるのです。

四十肩は、おもに四十代、五十代、そして六十代によくみられる痛みです。
年を取ったと実感して喜ぶ人はまずいません。
愕然とするのが普通です。
二十代や三十代の頃は体も元気で無理もききすいものです。
四十代にはいると働き盛りで、職場でも家庭でも責任が増え、やりがいも感じていきます。
ところが、肉体のほうはというと降下線をすでにたどり始めていますから、三十代でやってきた生活スタイルのまま暮らそうとする時に無理がどうしても生じるのです。
それを実感するきっかけのひとつが四十肩かもしれません。

四十肩は正式には「肩関節周囲炎」といいます。
しかし、俗称に年齢が含まれているのは意味深げです。
加齢との関わりも深いと考えられます。

加齢に伴う老化現象では、新陳代謝の低下を避けることができません。
組織の更新が悪くなると、組織そのものが硬くもろくなりがちです。
肩周辺の組織にもそれは言えることで、骨の周囲にある筋肉や腱、靭帯といった普通ならよく伸び縮みする組織も硬くもろくなりがちです。
そうした状態で若い頃と同じような日常生活を送るなら、当然負担も大きくなり、炎症を起こしやすくなるのです。

四十肩に共通している症状が可動域の狭まりです。
痛みだけでなく、筋肉の凝りや疲れから首・肩・腕と固まってしまい、過剰な緊張が強いられているのです。
拘縮と呼ばれています。
拘縮が起きると体が固まって動かなくなります。
また、疼痛がひどくて夜も眠れずに苦しむ方も大勢います。
上半身を石膏の型にはめ込まれて身動き取れないような気分にもなります。
さらに進むと、激痛で目が覚めるといった耐えられない状況にもなってしまうのです。

アラフォー世代は、結婚への圧力に耐えなければならない年代というだけでなく、更年期障害や早期がん、そして四十肩と、若い頃には考える必要もなかった人生の裏側をのぞき見る世代ともいえます。
暗くならず、とにかく前向きでなければ乗り切れない、と感じる方が多いのもうなずけるものです。
ただ、この四十肩はたいていの方が半年、あるいは1年程度で解消してしまうので、その時期を乗り越えてしまえばそれほど深刻にならずともやり過ごせるでしょう。